血液さらさら特効法
血液がうまく流れる状態をΓさらさら」だとすると、コレステロールや糖、中性脂肪が増えすぎて流れが悪くなった状態をΓドロドロ」と言えます。
ドロドロ血液は、動脈硬化を促進させます。放置すれば、高血圧症や、脂質異常症、糖尿病と言った生活習慣病を招き、突然死につながる脳卒中や心筋梗塞などの病気のリスクを高めます。
では、血液をさらさらにするにはどうすれば良いのか?
今回は浅野生活習慣病研究所所長 あさの金町クリニック院長 浅野次義さん監修の
Γ血液さらさら特効法101」をご紹介します。
あなたの血液&血管は大丈夫ですか?
汚れた血液が血管をデコボコにする
サラサラ流れるきれいな血液とは?
血液のサラサラ度を決定付けるのは、血液中に含まれるコレストロール、中性脂肪、ブドウ糖の量が標準値の範囲内にあるかどうかです。
誰でも食後はこれらの成分が増えるため、生理現象として、サラサラ度は低下し、ドロドロ度が上昇します。
しかし、過食や偏食で採りすぎたり、運動不足で脂肪が蓄積されたりすると、常にドロドロした流れの悪い血液になってしまうのです。
しなやかな血管とデコボコ血管の違い
血液がサラサラ流れるためには、しなやかな血管も欠かせません。心臓が血液を送り出す時の圧力に耐えられる弾力性と、血液がスムーズに流れるためのきれいな管状の内腔を保つことは、全身の健康維持にも必要不可欠なのです。
しかし、血管も老化します。弾力性が失われ、もろくなる硬化が起こり、内腔も狭くなります。特に動脈は、心臓から圧力をかけて送りださてる血液を全身に循環させるという役割をもっています。
このため、動脈硬化が起こると重大な病気を起こしやすくなります。動脈硬化は、老化によって誰にでも起こるものですが、食生活や、生活習慣によってピチピチの血管を保つこともできれば、動脈硬化を促進させてコレステロールの塊や血栓が血管壁を傷つけ、詰まりやすいデコボコ血管にすることもあるのです。
デコボコ血管とドロドロ血液が出会うと・・・
コレステロールや中性脂肪、ブドウ糖が過剰なドロドロ血液は、動脈硬化を促進させます。
LDLは血管の内壁に傷があると、そこから血管内腔に侵入して酸化し、酸化LDLになります。白血球の細胞であるマクロファージが酸化LDLを食べてから死ぬと、死んだ細胞の中からドロドロになった、粥状(じゅくじょう)の酸化LDLが流れでます。
これが固まりとなって血管の内腔を狭くデコボコにし、粥状硬化と呼ばれる動脈硬化を起こします。
また、動脈硬化の起きている狭い血管に、中性脂肪やブドウ糖の多いねばついた血液が流れると、血管が詰まり、血流が途絶える危険も高くなり、生命に危険が及ぶこともあります。
このように、ドロドロ血液とデコボコ血管の組み合わせは、相互に悪影響を及ぼしあい、動脈硬化を進行させていきます。サラサラ血液が保たれていなければ、若々しい血管もありえないのです。
全身にダメージを与える動脈硬化
血栓が詰まると、突然死の危険性もある
動脈硬化が起きている脳の血管に血栓が詰まると、脳の血流が途絶え、脳梗塞が起こります。これには脳内で血栓が積まる脳血栓と、脳以外の場所でできた血栓や脂肪が脳の血管に詰まる脳梗塞があります。
詰まった血栓が自然に溶けて、血流が再開することもありますが、これは脳梗塞の前兆であるため油断は禁物です。また、脳の動脈硬化は、脳血管性認知症を引き起こすこともわかっています。
心臓の冠動脈に血栓が詰まり、血流が悪化した場合は、狭心症の発作が起こります。完全に血流が途絶えると心筋梗塞になります。狭心症を繰り返しているうちに、心筋梗塞を起こすこともありますが、突然、心筋梗塞を起こすことも少なくありません。
動脈硬化を進行させる糖尿病
インスリンの分泌が減少し、血糖値が高いままの状態になると、糖尿病を発症します。動脈硬化は細動脈にまで及び、糖尿病性の網膜症や腎症をはじ、め、神経障害、感染症、皮膚炎など、全身に様々な合併症が起こります。
脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症による足の壊疽(えそ)をひこ起こすこともあります。
さらに、糖尿病に、高中性脂肪結晶、高血圧、肥満が加わると、動脈硬化の進行は速くなり、心筋梗塞を起こす危険も高まります。
こんな生活が血液と血管を老化させる
血液ドロドロ、血管デコボコになる食生活とは?
脂質、糖質、塩分は体を維持するためにも、きちんと採る必要があります。しかし、肉料理や油料理、菓子類を頻繁に食べて、脂肪分や糖分を採りすぎたり、過食によるエネルギー・オーバーの状態を続けると、血液中にコレステロールや中性脂肪が増えてしまいます。
また、塩分の多い食事やお酒の飲み過ぎは高血圧を招き、血管にダメージを与えます。
不規則な食事時間も問題です。食事を抜いたり、食事時間が大幅に遅くなったりすると、空腹時間が長くなる分、一度にたくさん食べてしまいがちです。それが習慣化していると、血糖値の上昇や肥満へと繋がります。夜遅い食事も、コレステロールを増加させるので避けたいものです。
特に女性は、女性ホルモンの働きによって動脈硬化がおこりにくくなっているため、閉経後にホルモン分泌が低下すると、総コレステロール値が上昇傾向となり、生活習慣病にかかりやすくなるので注意が必要です。
血流を悪化させる運動不足とストレス
日頃から歩いたり、適度な運動をしたりすることが少ないと、摂取エネルギーを消費しきれず、肥満になってしまいます。コレステロールや中性脂肪もたまり、動脈硬化も起こりやすくなります。
疲労、睡眠不足、不規則な生活、精神的な悩みなどのストレスも血管や血液に影響を与えます。ストレスを受けると血圧が上昇し、血管壁にダメージを与えるのです。
血液中のコレステロール値も上昇し、血液も固まりやすくなります。大きなストレスを長期間にわたって受け続けていると、動脈硬化が進み、生活習慣病を発症する可能性もあります。