深い眠りのための知識と方法

前回のΓ不眠症」にひき続きまして以前うつ病にかかったとき、不眠症になった経験のある、ねむ猫さん著書のΓ健康から学ぶ睡眠」をご紹介します。

【ノンレム睡眠とレム睡眠】睡眠の周波を知ろう

　睡眠の周波は90分から120分の繰り返しです。今までの研究ではΓ90分の倍数で寝よう」と言われてきました。しかし、それではなかなか良い睡眠が出来ない人が続出したのです。

 

　それもそのはず。なぜなら、睡眠周波は体質や体調によって変動する。120分間隔の人もいるのに90分で寝ても効果は得られませんよね。では、周波の時間を測定すればいいのか。それはあながち間違ってはいません。しかし、大事なのはそこではありません。

 

　本当に大事なのは寝入りにありました。睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠があります。ノンレム睡眠は脳と身体が深く寝ている状態です。レム睡眠はノンレム睡眠に比べて脳の睡眠状態が浅い状態です。

 

　この睡眠の面白いところですが、ノンレム睡眠は寝入りの方が深い睡眠になっています。そして、レム睡眠は寝入りの方が浅い。特にノンレム睡眠はかなり変動があり、寝初めの睡眠時と起きる前の睡眠時では数倍の差があります。

 

　このことからもΓ寝初めに多くの睡眠効果が起きている」ことが分かり、最初が大事なことが分かりました。この研究データですが、少し問題があります。寝初めにぐっすり寝れない人の睡眠リズムは計測できませんでした。

 

　寝ようとしたけど、なかなか寝付けない。心当たりありませんか？そのときに睡眠の周波を計測すると、睡眠のリズムが崩れています。そして、不安な状態かつ、睡眠の質が悪い状態で朝を迎えるでしょう。

 

　寝入りに上手く眠れないと何をやっても睡眠の質は上がらない。だからこそ、寝入りにしっかり眠れるような方法を紹介します。その前に疑問を解消します。そもそもΓ寝入りが良い」とは何でしょう。そこで、睡眠研究の研究者たち、彼らが口を揃えて言う内容の一部を紹介します。

 

　それがΓ睡眠の質が高い人は布団に入って20分以内に眠れている」という内容です。これは研究者が集めたデータ、経験からの見解です。これを目指すのが重要でしょう。

 

 

【深部体温と皮膚温度】体温を操る

 

 

　寝る前に入浴やシャワーを利用して寝入りを良くしましょう。

 

　お風呂に入って、少し時間が経った後は眠くなりませんか？また、激しい運動をして、少し時間が経つと眠くなりますよね。これが体温の変化によって眠くなる現象です。

 

　身体は深部体温と皮膚体温があります。朝は深部体温の方が2度ほど高い状態になっていて、寝るまでにその差は縮まります。この温度差がなくなることによって眠気が起こっています。

 

　眠くなる時、身体の熱を深部から皮膚へ、主に手足から熱を放出します。眠そうな赤ちゃんを想像してみてください。お母さんが手足を触ってΓ眠くなったの」と声を掛けますよね。赤ちゃんの手足が温かくなったら眠くなっている証拠です。そして、私たち大人も同じですよ。眠くなると手足が温かくなっています。

 

　そこで、入浴やシャワーを利用した深部体温の下げ方を紹介しましょう。深部体温は温度が上がると下がろうとする特性があります。体温は上がり続けるわけにはいきませんよね。だからこそ、身体が体温を下げようとするのは理解できます。この身体の仕組みを利用するために入浴やシャワーを使います。

 

　体温を下げようとする仕組みですが、深部体温と皮膚体温が交わるまで落ちていきます。シャワーより入浴の方が交わりやすく、入浴は二度交わることも多いです。

 

　補足として、Γなぜ、元の温度より体温が下がるのか」を解説します。

 

　例えば、真夏です。日本でも30度を越える日がありますよね。その時の身体は熱を体外に出す事で必死です。そして、覚えてしまっています。先ほどから体温が上がっている。このあとも同じように上がるだろう。しかし、入浴などの場合、お風呂から出れば体温は上がりませんよね。

 

　身体はお風呂から上がったのに、体温が上がることを予想しています。これが、元の体温より下がる理由です。

 

 

　実際にこの方法を利用する際の目安、入浴の場合は90分ほど、シャワーの場合は30分ほどで体温が交わります。この時間を目安に睡眠を決めてください。

 

 

　家庭があると難しい方もいるでしょう。また、この方法は時間によって利用しやすさが違います。特に夏場、自宅に帰ったらすぐにシャワーを浴びますよね。帰ってから、寝る前、2回浴びるのは大変です。だからこそ、夏場は使いにくいテクニック、しかし、質の高い睡眠のために実践してもらうのが目的ですからね。