落とし穴①　マッサージで筋肉はほぐれる

前回に引き続き、広島のスポーツクラブで腰痛、肩こり改善専門パーソナルトレーナーとしてご活躍されている佐々木拓さんの著書【肩こりをΓ揉んで治す時代」は終わった】をご紹介します。

落とし穴①　マッサージで筋肉はほぐれる

　結論から言えば、マッサージは一時的な効果はありますが確実に凝りを解消する方法ではありません。しかし、効果がないとも言い切れません。何故なら実際に楽になる人がいるからです。マッサージで楽になる理由は３つあります。また、先ほど確認した筋肉の収縮様式とも関係があります。マッサージに限らず、ストレッチやトレーニングでも効果が違うので、どのようなΓ凝り」にどんな方法が適しているのか役割を確認していきましょう。

 

 

マッサージの役割

 

 

　マッサージとは、一言で言うと筋肉をほぐすことです。効果として、上手に筋肉をほぐすことで筋力は低下し、筋肉が緩みます。そして、指や手で筋肉を刺激することで脳から疲れを感じさせなくするホルモンが分泌されます。これは一時的な脳の活性化です。さらにマッサージはリラックス効果があります。まとめるとΓ筋肉を緩める」Γ脳を活性化」Γリラックス」３つの効果。

 

 

　これらを踏まえて役割を考えると短縮性も凝り、ストレスによる肩こりがある人に効果的といえます。まだお伝えしていませんでしたが、肩こりは収縮様式の凝り以外にもストレスから凝りが生じることもあります。肩こりをマッサージで改善しようと思ったらあなたの筋肉の状態が伸張性と等尺性の凝りではない場合に限ります。筋肉が緩むと言うのは、言い換えれば筋肉が伸びるという事です。凝っている筋肉が縮んでいるなら、マッサージは効果抜群です。しかし、マッサージはいつ行っても気持ちが良く、肩が軽くなるものです。これは、脳が一時的に活性化してしまうからです。ですので、少し時間が経てばまた凝りが生まれます。ただし、短縮性の凝りの場合だったら然程気になりません。凝っている筋肉がどんな収縮様式かは姿勢を確認する時に詳しくお伝えします。ここで重要なのはΓ短縮性の凝り」とΓストレスの凝り」に効くと言うことです。

 

 

ストレッチの役割

 

 

　ストレッチとは、筋肉を伸ばすことです。皆さんもストレッチが大切なのは何となく知っていると思います。ストレッチはΓ静的ストレッチ」とΓ動的ストレッチ」の２つに分類できます。簡単に説明し、効果もお伝えします。

 

 

静的ストレッチとは、リラックスしてゆっくり行うもの。寝る前やお風呂上りにする方法です。

効果はΓ筋肉を伸ばす」Γリラックス」の２つ

動的ストレッチとは、運動前のウォーミングアップとして反動や勢いをつけてする方法です。

効果はΓ筋肉を伸ばす」Γ怪我予防」の２つ

 

リラックス効果はマッサージと一緒です。ここで注目するのはΓ筋肉を伸ばす」Γ怪我の予防」の２つ。

静的と動的で筋肉の伸ばされ方が変わります。なので、動的ストレッチだけΓ怪我予防」になるのです。まず、静的ストレッチでは筋力が低下しながら筋肉が伸ばされます。理由として、ゆっくり伸ばすからです。逆に動的ストレッチでは筋力は低下せず、筋肉が伸びていきます。反動や勢いをつけることで筋肉の中にあるセンサーが反応する為に筋力が低下しません。よって運動前に静的ストレッチをすると力が上手く発揮されず怪我に繋がることに。動的ストレッチなら力が上手く働き、可動域もアップします。安全に大きく効果的な運動が可能になります。ただし、動的にはリラックス効果はありません。

 

これを踏まえて、肩こり改善の役割を確認します。静的ストレッチはマッサージと同じでΓ短縮性とストレスによる凝り」に効果を発揮、動的ストレッチではΓ短縮性と等尺性の凝り」に効果的です。デスクワークやずっと同じ姿勢で肩や背中が凝ってきたら筋肉を動かすことが大切です。また、動的ストレッチを運動前に行うことでトレーニングの効果が格段にアップします。

 

 

トレーニングの役割

 

 

筋トレとは、筋肉を縮めることです。ストレッチと真逆になります。肩こり改善で注目されるのはストレッチや、マッサージですが、トレーニングの大切さをここでお伝えしていきます。トレーニング効果と役割を確認しましょう。　

 

効果はΓ筋力向上」Γ筋肉の活性化」Γ抗ストレス」の３つ

トレーニングではΓ伸縮性と等尺性の凝り」Γストレスの凝り」を和らげる役割があります。

 

では、効果をそれぞれ確認します。筋トレは縮めることなので、伸縮性収縮になって縮めない筋肉や等尺性収縮のように動かない筋肉を正常な長さにし元気にさせます。これがΓ筋力向上」の効果。

また、筋肉は機能停止することがあります。力を上手く発揮できず、ストレッチが切れた状態です。働いていない筋肉がいると他の筋肉にその分の負担がかかります。皆さんも会社の人が急に休んだら大変だと思います。それと同じことが筋肉にも起こり、疲れが溜まり血流が悪くなります。機能停止した筋肉にはトレーニングと動的ストレッチが有効です。これは、Γ筋肉の活性化」になります。

最後にΓ抗ストレス」について。トレーニングをすることでストレス発散はもちろん、ストレスに強い体になります。運動することでゼロトニンと言う幸せホルモンの分泌が促されます。また、脳の血流も良くなるので頭がスッキリし頭の中のモヤモヤも晴れていきます。

 

 

まとめると、マッサージとストレッチではΓ短縮性、ストレスによる凝り改善」トレーニングではΓ等尺性、伸張性、ストレスによる凝り改善」になります。まだ、これだけではイメージがつかないと思います。姿勢を確認することで、これらの役割が繋がってきますのでなんとなく頭に入れておきましょう。